Greetings from the Director


理事長よりご挨拶

Greetings from
the Director


理事長よりご挨拶

公益財団法人
京都「国際学生の家」理事長挨拶

 コロナウイルスの流行から3年が過ぎ、やっとマスクを外しても良くなりました。このパンデミックで留学生や外国人研究者の渡航が阻まれ、日本人学生もオンライン授業を受けてきました。しかし、2022年4月には留学生の入国も緩和され、2023年4月には寮生も8割強に戻りました。その間に、本学寮においても2人の陽性者が出ましたが、スタッフや学生達の協力のお陰で、多重感染は起こさず「家」の共同生活は続けられています。

 21世紀には、大きな戦争は無くなると期待していたのですが、2021の春にミャンマーの軍事クーデター、2022のロシアのウクライナ侵攻(ウクライナ戦争)が起きて、現在も罪のない人々の死が続いています。本当に悲しい限りです。ヒトは何時まで地球を滅ぼしかねない生き物であり続けるのでしょうか?

 第1次・第2次大戦を経験した創設者の故ウエルナー・コーラ博士(スイス東アジアミッション(Swiss East Asia Mission))が、戦争を回避するには、国家、イデオロギー、宗教、慣習、文化等の異なるバックグランドを持つ若者達が、共同生活を通じて国際的な相互理解をして「共生」をする精神が大切だとして、その「訓練の場」として本学寮を設立しました。

 開寮以来、58年間に世界83ケ国から1080名の若者が寮生として住み、それぞれ貴重な体験を得て帰国しています。また併設されている12の研究員等宿泊室を利用した学者研究者は96ケ国から3101名の多きにのぼり、これらの人々は京都における学際的研鑚の成果と共に、この「家」で体験した人間同士の愛と連帯意識をもって世界中で活躍しています。

 ぜひ多くの若者が、この「家」に集うことを期待しています。

 また、このホームページを見た皆様には、「戦争にはコストがかかる。平和にもコストがかかる。平和のためにと、言葉によって尽力するだけでは不十分である」としたHdB設立の趣意書を思い出し、今後とも公益財団法人京都国際学生の家をご支援して頂きますよう、お願い申し上げます。

京都大学名誉教授
内海 博司